生徒7人ずつ撮影するのだが、私の順番は、
その第1回目の日になってしまった。
その日は、なんだか朝からソワソワして、落ち着かない。
いつにない緊張感を、久しぶりに味わった。
1分半ほどの文章を、ざっと読み、分からない単語を質問。
2回ほど音声を聞いた後、一人ずつ別室に呼ばれる。
別室では、ヘッドフォンをして、流れてくる音声を聞きながら、
手話に訳して行くのをビデオで撮る。
それから、教室に戻り、そのビデオを皆で見て検討する。
1回ざっと見た後、さらに巻き戻して、
講師が間違った箇所などを、詳しく指導してくれる。
未熟な自分の手話を見るのは、とても恥ずかしかったし、
終わったら、どっと疲れが出た。
けれども確かに、いろいろと勉強にもなった。
今後の手話の勉強に生かして行きたい。
市川聾学校の文化祭を見に行って来た。
そこは、市川にある筑波大学附属の聾学校だ。
“欅祭”と名付けられた文化祭で、
今年のテーマは、“道標(しるべ)”だった。

京成線の国府台駅から、10分ほど歩いた所に、その学校はある。
江戸川沿いの、教会のC姉妹の通っている和洋女子大の裏手になる。
さわやかな秋晴れの下、いろいろな模擬店やバザーのお店が出ている。
卒業生や父兄も多く、たくさんの人が楽しそうに手話で会話しているが、
スピードが速くて、ほとんど読み取れない。

少し買い物をして、焼いた磯辺餅を食べたりしてから、校舎の中に入って見た。
幼稚部から、小・中・高とさまざまな展示がされている。
教室の掲示を見た後、同窓会の喫茶室でコーヒーを飲んで一休み。
お店の人に、思い切って少し手話で話してみたら、通じてうれしかった。
それから、多目的ホールで、高校生が制作した映画を2本見た。
どちらも内容が深く、勉強にもなり、また考えさせられることも多かった。
出演している生徒達の手話は、ハッキリしていて分かりやすい。
生徒達の表情が明るく、その生き方が前向きなのが、とても印象に残った。
ろうあ者のゲスト4人をお迎えした。
まず、その内のお二人から、手話による講演があった。
その後、4つのグループに分かれて、ゲストを囲んで会話をした。
ろうあ者のお話される手話表現には、その人その人の個性やくせがあり、
スピードも速くて、なかなか読み取るのが難しかった。
いわば、手話のネイティブ・スピーカーなわけで、
英語を習っていて、初めて外人としゃべった時のような気分だった。
私も言いたい事はあるのだが、知っている語彙が少なく表現できない。
でも、ろうあ者の方々は、一生懸命こちらの言うことを理解しようとして下さる。
交流会の終了後に挨拶をされた、いつも習っている先生の手話が、
何だかとてもハッキリして分かりやすく感じられた。
手話の参考にと、いくつかの手話のドラマを見てみた。
酒井法子主演の『星の金貨』をはじめ、
菅野美穂と武田真治の『君の手がささやいている』、
常盤貴子と豊川悦司の『愛していると言ってくれ』、
柴咲コウと妻夫木聡の『オレンジデイズ』などなど。
このうちの『オレンジデイズ』を見ていた時に、
何だかどこかで見たことのあるシーンが出て来た。
『愛していると言ってくれ』のドラマの冒頭では、
道端のりんごの木から、そのりんごを一個とるシーンがあったが、
それが『オレンジデイズ』の冒頭では、オレンジになっていた。
まさか、盗作ではと思ったら、どちらも同じ脚本家の
北川悦吏子さんが書かれた作品だった。
いずれも、とても素敵なドラマだったので、
それから北川悦吏子さんにも注目するようになった。
先日は、『素直になれなくて』というテレビドラマが放映されたが、
これは私的には、ちょっと期待はずれな内容だった。
前半と言っても、講座の回数からするとまだ半分は行かないのだが、
一応、昨日までで基礎コースで勉強した8文法の復習が終わった。
来週からは、フォローアップ講座の12人のメンバーが加わり、
生徒数も約倍になって後半がスタートする。
今年の夏は猛暑だったせいもあってか、
昨日は、疲れたとか、もうやめたいなあ言うメンバーもあった。
ちょうど折り返し地点ということもあり、
そろそろ、そんなことを考える時期なのかもしれない。
けれども、せっかく皆で続けて来た手話なので、
何とか励まし合って、これから後半も頑張りたいと思う。
4月末に送られて来て、うれしいことに合格だった。
入門・基礎コースを終了して、一緒に受験したみんなも合格。
5月の第二月曜日の夜から、新しい中級コースがスタートした。
メンバーの半分以上が、基礎コースからの持ち上がりなので、
顔なじみが多くて、気心が知れていてやりやすい。
手話の学習のレベルはかなりアップして難しくなったが、
これから、来年の2月までの約1年間、
みんなと一緒に、楽しく勉強して行きたいと思う。
控え室で、ひさびさの緊張感を味わいながら順番を待つ。
面接試験の部屋に呼ばれて入ると、面接官2人が座っている。
向かい合って座ったら、とたんに頭が真っ白になって、
何を言われたのか手話がまったく読み取れない。
でも、たぶん名前しか聞かれないだろうと思って、自分の名前を言って見る。
次に、また何か言われたが、やはり手話が分からない。
とりあえず、与えられたテーマにしたがって、2分間程度の手話をする。
その後、質問がいくつかあったが、慌ててしまって、しどろもどろだった。
終わって、みんなと駅の近くの喫茶店に入った。
話をしたら、みんな同じように失敗していたみたいで、少し安心した。
みんな合格しているといいな。
入門コース18回、そして夏休みをはさんで、基礎コース25回だった。
今回は、たまたま昼の時間の講習会だったし、場所も近くて助かった。
1年間で、何とか簡単な日常会話は出来るようになった。
次のコースは夜だし、場所も遠いので通うのは難しいと思っていた。
けれども、家族に話して見たところ、
意外にも後押ししてくれて、何とか続けられそうだ。
私が、手話を学び始めるキッカケになった
お隣に住んでいらしたろうあ者のご夫妻は、
その後、引っ越して行ってしまわれたけれど、
昨年のクリスマスには、教会で手話の賛美も発表できた。
これからも、手話サークルなども含め、少しずつでも、
楽しみながら、勉強を続けて行きたいと思う。