「ゴンダールのやさしい光」(「The Gentle and Compassionate Light in Gondar」)
2008年 04月 19日
文: みなみ ななみ
英訳・解説: 日本国際飢餓対策機構 自由国民社 2001年 ¥1,600
数日前に、私が「良きサマリア人」の記事を書いた際に、
Eさんという方が紹介した下さった本を読んでみた 。
ゴンダールは、アフリカのエチオピアにある辺鄙な村の名前だ。
これは主人公が、食糧援助の働きをするために、
この村を訪れた時の体験をもとにした絵本だ。
ここ数年の飢饉で、1ヶ月以上も食べるものが無かった人々が、
1000人も2000人も待っている。
配給は、とうもろこしと粉ミルク、ひと袋ずつ。
不公平にならないように、銃を持った村の兵隊が見張っている。
そこへ小さな女の子がふたり。
山を三つ越えたウォロというところから、三日歩いて来たと言う。
でも、兵隊は「これはゴンダールの人の食べ物だ!」と言って、
銃でふたりを押しのけた!!
主人公は、後からふたりを追いかけたが、もう見つからない。
そして真っ暗な夜になった。ゴンダールの夜はとても寒い。
翌朝、ある村人のおじさんが「夕べはうちで、ごはんを食べたよ。」と言う。
「それで昨日もらった食べ物を、少しだけれどふたりに分けたよ。
お母さんにと喜んで持って帰ったよ。」
えっ?自分達も飢え死にするかもしれないのに、それを分けたの?
「そうだよ。私も食べ物をもらってうれしかったからね。
あの子たちにも、ただ同じようにしただけだよ。」
助けてあげるなんて言わないで、大切なものを分けてあげた。
砂まみれ、ぼろぼろの服を着たおじさんの心は、朝の光のようにきれいだ。
国際協力活動の原点を問いかける、さわやかな希望の絵本だ。
葉 祥明氏の絵がやさしい。
巻末に「善いサマリア人」の物語が載っている。
裏表紙に書かれている言葉・・・・・
“Love one another, Serve one another. ”
(互いに愛し合いなさい。また、愛によって互いに仕えなさい)
http://www.jiyu.co.jp/BookDB/books.cgi?kikaku=88309
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