『火花』
2016年 03月 19日
発行所:(株)文藝春秋
初版:2015年3月15日
定価:1200円+税
昨年、第153回芥川賞を受賞して話題になった、
『火花』は、一時書店でも売り切れになるほどだった。
その頃、我が家でも買って読んだのだが、
感想を、書くのを忘れていた。
下積み芸人らの苦労が分かった。
たぶん、世の中には、無名の毎日の食事にも困っているような
漫才を目指す人達が、たくさんいるのだろうと思う。
その中の、ほんの一握りの人が、有名になって活躍している。
ほとんどは、この神谷のように、お笑いへの情熱を持ち続けながら、
無名のまま、苦労の多い生涯を終えるのだろう。
あるいは、スパークスのように、何らかの事情で、解散して、
別な職業について、平凡な毎日を送っているのかもしれない。
そんな世界で、天才神谷と、徳永の間に散らされた、一瞬の火花。
お笑いを目指す人達は、面白いことが第一の価値観なのだと知った。
面白ければ、失礼でも、不恰好でも、危険でもかまわない。
昔のI君を、思い出した。
ちなみに、又吉直樹のお祖父さんはクリスチャンだったらしい。